芹乃栄
せりすなわちさかう
水辺で芹の緑が増すころ。
七十二候は日本の伝統的な季節の呼び名です。読みや異体字には資料差があります。実際の花・鳥・天気を予報するものではありません。
せりすなわちさかう
水辺で芹の緑が増すころ。
しみずあたたかをふくむ
地下の泉にわずかなぬくもりを感じるころ。
きじはじめてなく
雉が鳴き、春の訪れを知らせるころ。
ふきのはなさく
ふきのとうが寒さの中から現れるころ。
さわみずこおりつめる
沢の水が厚い氷に覆われるころ。
にわとりはじめてとやにつく
鶏が産卵の準備に入るころ。
はるかぜこおりをとく
氷にゆるみが生まれ、春の風を感じるころ。
うぐいすなく
鶯の声が春の気配を運ぶころ。
うおこおりをいずる
水面の氷がほどけ、魚の動きが見えるころ。
つちのしょううるおいおこる
土に水分が戻り、芽吹きの準備が進むころ。
かすみはじめてたなびく
遠くの景色が春霞に包まれるころ。
そうもくめばえいずる
枝先や地面に小さな芽を探せるころ。
すごもりむしとをひらく
土や木の中にいた虫が動き出すころ。
ももはじめてさく
桃のつぼみが開き、花色が増すころ。
なむしちょうとなる
冬を越した菜の虫が蝶へ姿を変えるころ。
すずめはじめてすくう
雀が子育ての場所を整えるころ。
さくらはじめてひらく
桜の枝に花がほどけていくころ。
かみなりすなわちこえをはっす
春の空に雷の響きが戻るころ。
つばめきたる
南で冬を過ごした燕が帰ってくるころ。
こうがんかえる
雁の群れが北へ旅立つころ。
にじはじめてあらわる
雨上がりに虹を探したくなるころ。
あしはじめてしょうず
水辺の葦に若い芽が出るころ。
しもやみてなえいずる
霜の心配が減り、稲の苗を育てるころ。
ぼたんはなさく
牡丹の大きな花を楽しめるころ。
かわずはじめてなく
田や池から蛙の声が聞こえるころ。
みみずいずる
暖まった土でミミズが活動するころ。
たけのこしょうず
竹林の地面に筍が顔を出すころ。
かいこおきてくわをはむ
蚕が育ち、桑の葉を盛んに食べるころ。
べにばなさかう
紅花が明るい色で畑を彩るころ。
むぎのあきいたる
麦の穂が熟し、刈り入れを迎えるころ。
かまきりしょうず
小さなカマキリが草むらに現れるころ。
くされたるくさほたるとなる
草の湿りから蛍が生まれると考えられた候。現代の生物学とは別の古い見立てです。
うめのみきばむ
梅が青から黄へと熟していくころ。
なつかれくさかるる
うつぼぐさの花穂が夏に枯れていくころ。
あやめはなさく
あやめの花に季節の移りを感じるころ。
はんげしょうず
薬草の半夏、カラスビシャクが育つころ。
あつかぜいたる
肌に触れる風が熱を帯びるころ。
はすはじめてひらく
池の蓮が朝に花を開くころ。
たかすなわちわざをならう
若い鷹が飛び方を身につけるころ。
きりはじめてはなをむすぶ
桐が花後の実をつけるころ。「花」はここでは結実を表します。
つちうるおうてむしあつし
雨を含んだ土と熱気で蒸し暑くなるころ。
たいうときどきふる
強い雨がまとまって降りやすいころ。
すずかぜいたる
風の中に涼しさが混じるころ。
ひぐらしなく
夕暮れにひぐらしの声を聞くころ。
ふかききりまとう
朝の景色に深い霧がかかるころ。
わたのはなしべひらく
綿の実が開き、白い繊維が見えるころ。
てんちはじめてさむし
強い暑さが落ち着き始めるころ。
こくものすなわちみのる
稲などの穀物が実りを進めるころ。
くさのつゆしろし
草の上の露が白く光るころ。
せきれいなく
水辺でせきれいの声が聞こえるころ。
つばめさる
燕が暖かい土地へ移動するころ。
かみなりすなわちこえをおさむ
雷の多い季節が遠ざかるころ。
むしかくれてとをふさぐ
虫が冬を越す場所へ隠れるころ。
みずはじめてかるる
収穫へ向けて田の水を落とすころ。
こうがんきたる
北から雁が渡ってくるころ。
きくのはなひらく
菊の花が秋の庭を彩るころ。
きりぎりすとにあり
家の近くで秋の虫の声を聞くころ。
しもはじめてふる
朝の冷え込みで霜が現れるころ。
こさめときどきふる
通り雨のような小雨が訪れるころ。
もみじつたきばむ
楓や蔦の葉が色を変えるころ。
つばきはじめてひらく
さざんかの花を見かけるころ。古い読みでは「つばき」と呼びます。
ちはじめてこおる
地面まで冷え、凍り始めるころ。
きんせんかさく
水仙が香りを届けるころ。ここでいう金盞はマリーゴールドではありません。
にじかくれてみえず
虹を見かける機会が減るころ。
きたかぜこのはをはらう
北風が枝から葉を落とすころ。
たちばなはじめてきばむ
橘の実が黄に染まるころ。
そらさむくふゆとなる
空も大地も冬の寒さに閉ざされるころ。
くまあなにこもる
熊が冬を過ごす巣穴へ入るころ。
さけのうおむらがる
鮭が群れで川をさかのぼるころ。
なつかれくさしょうず
うつぼぐさが冬に芽を育てるころ。
さわしかつのおつる
大きな鹿の角が落ちるとされたころ。生物の地域差があります。
ゆきくだりてむぎのびる
雪の下でも麦が成長を続けるころ。